« 出産 | トップページ | 千円王子 »

万葉集 巻2-148 挽歌

9月9日
  一書曰、近江天皇聖躰不豫御病急時、大后奉獻御歌一首
青旗乃 木旗能上乎 賀欲布跡羽 目二者雖視 直二不相香裳
一書に曰はく、近江天皇の聖躰不予御病急(みやまひには)かなりし時に、大后の奉献(たてまつ)れる御歌一首
青旗の 木旗の上を かよふとは 目には見れども 直(ただ)に逢はぬかも
天智天皇の病気の重いとき、倭大后の奉る御歌
浜西進先生訳
   青々と樹木の茂る木幡山のあたりを 魂が行き来なさると、
   目にははっきり見えるのだけれども 現し身にはお逢いできないことよ。
挽歌は 人の死を悲しむ歌です。
第二巻の挽歌は 有馬皇子から始まって
天智天皇、十市皇女、天武天皇、大津皇子、と 
そうそうたるメンバーの死を悲しむ歌が並びます。
でも、この天智天皇の歌の場合は、少し変わっています。
147番と、上記の148番は
病気の天皇よ、どうぞ助かって、という歌です。
詞書が そのようになってます。
そして崩御されて
149~155番と 死を悲しむ歌が続きます
昔は 病気のときは離れていく魂を
歌の力によって肉体につなぎとめようとしたので
147と148は その平癒を祈る呪歌にあたります。
ところがこれに ちょっと待った!をかけたのが
逆説の日本史の 井沢元彦先生です。
日本書紀には 天智天皇は病気で亡くなったとありますが
他の本(扶桑略記)には 
実は 山科に行って山の中で行方不明になり
沓が残された。 そして そこを陵にした。
という事が 書かれています。
そして 井沢先生
万葉集のこの148番の歌を取り上げて
この歌の不自然さを 逆説の日本史②の中で
おっしゃっているわけです。
詞書では 天皇はベッドで闘病しているなのに
魂は 山科(木幡)をさまよっているのです
山科は 天智が行方不明になったと言われた場所。
しかも都の大津からは離れた 草深い田舎で
周りに 他の皇族のお墓も何もない
皇族と全く無関係の土地だったのだそうです。
万葉集は 死んだ皇族の真相を残しているのではないかと
言われてますが
この歌もやはりと 私も思います。
恐らく 真相を知っている 
あの言葉を自由に操る天才 額田王が 
大后に代わって作歌したのではないかと
私は勝手に推測してます
そういう目でこの歌を見ると やはりちょっと??
って 思えてなりません。
ゲゲ訳
 青々と木の茂る木幡はあなたのものだったのに、今はもう
 別の方の旗がなびく場所となってしまっている。
 あなたはきっと木幡山で殺されてご遺体は隠されてしまったのでしょう。
 あとには 沓だけがあったそうですね。殺されて羽だけが跡に残った鳥のように。
 あなたの魂は 私の能力で視えるのですけれども
 ご遺体も、着ていらした香る裳もどこにあるのか見えません。
青旗の木旗 
   青旗は 木幡、葛城、忍坂山にかかる枕ことば
   木幡であるべきなのに。旗を強調。   
   旗は 軍にとって大事なもの
   しかも葛城は 天智天皇の生前の名前。
   天智天皇のものであった場所(日本国土は天皇のもの) 
   別の天皇のものにとってかわられるというニュアンスを感じた。
旗、能、羽
   旗は 熊・虎を書いた赤い旗、という意味もあります
   能は 熊の意。
   羽は 鳥の羽の形。  
   日本書紀に書いてありますが
   大海人皇子(天武天皇)を吉野に追放したとき 
   「虎に翼をつけて野に放ったようなものだ」
   と評されたそうです。
   それを思い出しました。
賀欲布跡羽
   そもそも 病気で悲しいのに どうして
   お祝いのことばの 賀 をつかうの?と思いました。
   ばらばらにしてみました。
   加 + 貝 + 谷 + 欠 + 布 + 跡 + 羽 
   貝に力を加える 山あいの谷 甕が欠けて壊れる、人が口をあけている 麻布(死んだ後の着物)
   ちょっと 人が死んだイメージじゃ。。って 思いました。 
   跡と 羽で
   鳥が猫に食われて 羽と血だけが空しく残った感じの気もしました。
   かよふ っていうのは 魂が通う っていうことらしいですが
   浮かんだ光景は 
   殺されて 死体は 谷に埋められ 魂が空しく空を飛んでる様子です 
目二者雖視 直二不相香裳
   目、視、相はどれも 見るということですが 微妙に漢字をかえています。
   直の 目と+も 呪術的な印の+を加えた目の象形なのだそうです。
   この文の中に 目が4つもあるのですよ
   私は知っていると 歌の作者が告発してるような 気がしました。 
この歌は
中大兄皇子(天智天皇)は 病気ではない。
弟の大海人皇子に 突然 山科で殺された。
というのを 額田が 后の代わりに作った歌と
私は思います。

« 出産 | トップページ | 千円王子 »

歴史」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 万葉集 巻2-148 挽歌:

« 出産 | トップページ | 千円王子 »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ